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特報

INTRODUCTION

早乙女カナコ、10年にわたる恋と人生。
恋、人間関係、キャリアーこれは、私たちの物語。

   魚喃キリコによる同名漫画を映画化した『ストロベリーショートケイクス』(2005年)、西加奈子による同名小説を映画化した『さくら』(2020年)をはじめ、絶大な支持を得ている作家たちの物語を、これまで独自の世界観で数多く手がけてきた矢崎仁司。今回5年ぶりとなる矢崎の最新作の原作には、日本のみならず海外でも人気を誇り、『BUTTER』や『ナイルパーチの女子会』といった作品で知られる柚木麻子による小説『早稲女、女、男』が選ばれた。
 本作『早乙女カナコの場合は』は、およそ10年にも及ぶラブストーリーを中心としながら、女性の生き方や女性同士の関係を描く。恋のライバル関係ともいえるはずのカナコ、麻衣子、亜依子たちは、それぞれに対立するのではなく、互いを鼓舞し、エールを送り合う。現代を生きるあらゆる世代の女性たちが、自分らしく一歩を踏み出すための普遍的な物語が、今ここに誕生した。

COMMENTS

大学に通えなかった自分にとって、この作品はあらかじめ失われた青春を取り戻すかのような……というほど甘酸っぱい話でもないのですが、全く知らない世界を手探りで途方もなく歩く感覚、でした。
男とか、女とか、そのグラデーションとか、自意識、愚かさ、狡猾さとか、そんなものがわっと湧き上がってきて、葛藤して、ぐちゃぐちゃになって。でもそれこそがオリジナルで、そして何でもない自分自身なのだと、そんなふうに思ったんです。全然大人になんてなってなかった!

早乙女カナコ 役:橋本愛

長津田というキャラクターを知れば知るほど人間の奥深さが出てきて、とてもチャーミングです。この役は僕にとってまた新たな挑戦でもありました。映画の中で流れていく時間、変化していく季節が、苦しくも心地よかったです。

長津田啓士 役:中川大志

大学生活という限られた時間の中で自分の在り方を探る麻衣子にヒヤヒヤとさせられたり共感したり。 どうなるか分からなくても、先が見えなくても 好きなように生きていいじゃないか! という覚悟を彼女に教えてもらった気がします。 観終わったあと自分自身を肯定してあげたくなるような、どこか清々しい気分になるような。 楽しみにお待ちいただけたら嬉しいです。

本田麻衣子 役:山田杏奈

原作、台本、と読んで、慶野亜依子の話す言葉が聡明であり、逞しく、艶美な様が浮かび、大事にしたいと思いました。現場に入ってからは、慶野亜依子の脆さを受け入れる日々で、カナコの真っ直ぐさに向き合うたびに負けてしまいそうで、重心を低く、踏ん張って演じました。

慶野亜依子 役:臼田あさ美

矢崎監督はあまり多くは語らないけれど、確実に頭の中に理想としてある監督が求めている芝居をカメラの前で表現するのはとても難しかった。けれど、OKの声を聞いた時は本当に嬉しかったことを覚えています。互いの立場や性格に嫉妬し、羨み、何度も傷つきながら成長する登場人物達を応援してあげてほしいです。

吉沢洋一 役:中村蒼

物語より、光景の積み重ねこそが、観る人の心に触れると信じて映画を作り続けてきました。素晴らしいスタッフとの出会いで光景が映し撮れたと思います。ぼんやりした不安の世界をサバイブする彼、彼女たちに会いに来てください。きっと元気になれる。見えない鎖を解き放つ作品になると嬉しいです

監督:矢崎仁司

あまりにも美しい愛についての映画で自分の原作かどうか、疑ってしまった。

原作:柚木麻子

一人の男性との出会いにより複雑な想いが重なって、決して大きくないけれどずっと細かく揺れ続けている心を抱えながら進んでいくこの物語に影響を受け、Our last stepを描かせていただきました。この恋の結末がハッピーでも最悪でも、二人の人生にとって大切で必要なものであった事をこの曲で肯定したいです。

主題歌:中嶋イッキュウ